無限大な夢のあと

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【書評】 Pythonで実践する株式投資分析 @yyamada

導入

WINGSプロジェクトの書籍レビュアーに応募し、献本していただいたため、本書の書評を書かせていただきました。
今回は表題の通り『Pythonで実践する株式投資分析』のレビューとなります。

約2年半前には『Pythonでできる! 株価データ分析』をレビューさせていただきましたが、本書は同じ著者による続編とも言える位置づけで、より実践的な分析手法が紹介されています。
dke-msy-node.hatenablog.com

ワクワクしながら読み進めました。
それでは書評に入ります。

書評

本書は、株式投資を本格的に始めようとしているエンジニアにとって、非常に完成度の高い良書だと感じました。初心者から経験者まで幅広く配慮された構成となっており、環境構築や金融の基礎から、具体的な企業を題材にしたテクニカル指標の解説まで、実践的に学ぶことができます。さらにMITライセンスやクローリング時の注意点にも触れられており、安心して取り組める点も好印象です。

書籍名に「Python」とある通り、一定のエンジニア層をターゲットにした内容ですが、エンジニアのレベルを問わず、プログラミング経験がある方であれば比較的スムーズに読み進められる構成だと感じました。株式投資の経験が浅い立場から見ても、経済イベントとの関連性を意識する重要性を学ぶことができ、「金融政策決定会合」などもチャート上で追うべき基本情報であると気づかされます。書籍内では多数の分析指標が紹介されており、個人的には初めて知るものも多く、新鮮でした。

特に印象的だったのは第3章で、実際の企業を例にグラフで解説されている点です。理論だけでなく、視覚的に理解できる構成になっており、実感を伴って知識を定着させられると感じました。

一方で、環境構築はローカル完結を前提としており、MySQLフレームワークの導入などが必要になる点は、人によってはハードルに感じるかもしれません。実践性の高さと引き換えに、学習コストがやや高くなっている印象は受けました。DockerやGoogle Colabなどを用いた簡易的な環境構築の選択肢があると、さらに取り組みやすくなったのではないかと思います。ただし、現代ではLLMの活用によって導入部分のハードルはある程度緩和できることを考えると、あえてこの構成になっているのかなとも感じました。

まとめ

良いところ

・エンジニア初心者から経験者まで幅広く対応している
・環境構築からテクニカル分析まで一貫して学べる
・具体的な企業データを用いた解説で理解しやすい
・経済イベントと株価の関連が学べる実践的な内容
・ライセンスやクローリングの注意点まで丁寧に記載されている
・紹介コードにも丁寧なコメントが付与されている

気になったところ

・ローカル環境構築が前提で手順がやや煩雑
MySQLフレームワークの習得が本筋以外の負担になりやすい
・ジュニアエンジニアには環境構築が高いハードルになりうる
・DockerやGoogle Colabなどの簡易環境構築手法が提示されていない

総評

投資初心者のエンジニアが、よりシステマティックに投資を始めたいと考えた際の「最初の一歩」として、そして長く手元に置いておけるバイブルとしても適した一冊だと感じました。

昨今の日本の経済状況を踏まえると、インフレへの対応として円以外の資産を保有することや、幅広い資産配分によるポートフォリオ構築はリスク分散の観点でも重要です。本書は、その第一歩を理論と実践の両面から支えてくれる内容になっていると感じました。